んみゃーち宮古島〜しまんちゅ編〜。


宮古島のよい所は海だけではない。人間の温かさも心動かされるものがある。
出会い。一期一会。
今回は、こんな出会いがありました。


酒楽「宮路」のおじちゃん

私たちが泊まったホテルは市街地から離れた場所にあった。回りはジャングルのような木々に囲まれ、お店はほとんど見当たらない。
1日目の夜、「沖縄料理食べたいよねぇ。近くに居酒屋ないのかな。」と言いながら、ホテルのフロントでもらった宮古島ガイドをめくっていた。すると、なんとかホテルから歩ける距離に居酒屋を発見。さっそくホテルを出発した。
ホテルからは歩いて30分くらい。「街灯がないね。帰りは暗いだろうね。」と言いながら、畑に囲まれた酒楽「宮路」に到着。


私たちはその日最初のお客さん。和風な作りの店内ではちょっとハニカミ系のご主人(おじちゃん)が注文をとっていた。アーサーなど地元の食材を使ったおいしい沖縄料理にオリオンビールがよくあう!ビールの後は、やっぱり泡盛♪おじちゃんオススメの宮古島泡盛「豊見親(とぅゆみゃ)」は、飲みやすくてとってもおいしかった。
飲んで食べて、まったりしゃべって、いい感じに酔っ払った私たち。と、気づけば、私たちは最後のお客さん。さぁ、帰ろう、とお会計を済ませたところで、おじちゃんが一言。
「送っていきますよ。」
「え?いえいえ、大丈夫です。行きも歩いて来ましたから。」
「いーえ、いいですよ。その状態では、1時間はかかりますよ(笑)。街灯がないから真っ暗だし。」
「あ。。。(そうだった。。。)では、お言葉に甘えて。。。」
で、結局ホテルまで車で送ってもらっちゃいました。こんなこと、普通考えられないでしょ。せいぜい、タクシーを呼んでくれる程度でしょ。さすが島人!
と思ったら、車の中で、おじちゃんは7年前に大阪から移住したと言っていた。もともとやさしい人なのかもしれない。でも、私は勝手な想像で、宮古島という風土がこんな風に心に余裕を持たせるんだろうな、と感じた。忘れられない島人との出会いだった。


・居酒屋「なみ吉」で、宮古の伝統“おとーり”

2日目の夜。ちょうど夏祭りをやっているという話を聞き、タクシーで市街地に出た。(夏祭りについては次回アップ予定。)
商店街をそぞろ歩き、屋台で何か食べようかとも思ったけれど、屋台にあるのは焼きそばとかたこ焼きとか普通のメニュー。やっぱりせっかくだから沖縄料理を食べたかったので、なんとなく目に付いた居酒屋さんに入ることにした。
ゴーヤチャンプルー、テビチ、海ぶどうなど、代表的な地元料理に舌鼓を打ち、「昨日飲みすぎたから、今日は早めに帰ろう」と、店を出ようとした。
すると、出口近くのカウンターに座っていたおじちゃん2人に「お嬢さん方、ちょっと飲んできなよ。」とイスをすすめられた。一瞬「え?」と思ったけれど、人の良さそうなおじちゃんたちの笑顔に誘われ、出口のドアを閉めて着席。こういう地元の人との触れ合いって、けっこう好きだったりする。


おじちゃんたちだけでなく、お店の板さんもカウンター越しに会話に参加。私の隣のおじちゃん、その名も宮里さんは、自分達が食べていたおつまみ(超美味「カツオの宮古味噌和え」)を「食べて食べて」と分けてくれ、泡盛をすすめてくれた。今日はもう飲まないと決めていたのに、せっかくだからとついつい飲んでしまう。。。
ただ、なんだか飲み方が普通と違う。何が違うって、グラスが1つしかないの。1人1つではなく、みんなで1つ。まず、私たちが席に着くと、宮里さんが「この出会いを祝って」などと言って飲み干した。普通だと、ここで「乾杯!」となる雰囲気だったので、なんだか右手が手持ち無沙汰で落ち着かない。。。なんでだろう、と思っているうちにグラスが回り、自分のところにも回ってくる。飲むとき、「本当は全部飲むんだけど、飲めなかったら無理しないで」と言われた。
「本当は」ってどういうこと?と思ったら、これは宮古島伝統の飲み方で“おとーり”というそうだ。勉強不足でごめんなさい。。。初めて聞きました。


“おとーり”について説明しよう。まず、「親」と呼ばれる人が「おとーり回します!」と言ってから、好きなことを演説してグラス1杯飲み干す。そして、親はピッチャーの水割りをグラスに注いで隣の人に渡す。飲み干したら親にグラスを返し、親がまたグラスに注いでさっき飲んだ人の隣の人に渡す。飲んだら親にグラスを返し、、、と続く。最後の人は親にグラスを渡して水割りを注ぎ、親が再び飲み干した後、「つなぎます!」といって、次の親になる人を指名する。そして、指名された人が親になり。。。いったい、いつ終わるのやら。。。


ひょんなことから宮古島の伝統を体験。これも出会いの楽しさ1つよね。おとーりのお酒を回しながら、色々お話をしたけれど、正直に言うと、なまりが強くて半分くらいは理解できなかった。。。でも、みんな生まれたときから宮古に住んでいること、どんなに宮古島を誇りに思っているか、といったことは感じ取ることができた。


関係ないけど、おじちゃん達に「本当に本土の人?沖縄の顔してるよね。」と言われた。「目も眉もほっぺも沖縄の人みたいだよなぁ。」もう、それ以上言わないでください。。。薄い日本人顔に憧れる私。今まで、友達に冗談で「沖縄っぽい」と言われたことはあったけど、まさか島人に言われるとは。。。NHKの朝ドラのヒロイン(沖縄出身らしい)に似ていると言われたけど、どんな人か知らないよ。。。ま、なんくるないさぁ。。。


・タクシーの無線の使い方

タクシーに乗っていたら、プツプツと無線の声が聞こえた。タクシーの無線って、普通は送迎の調整などに使われるはず。でも、気のせいか「コロッケ」という単語が聞こえた。
「ん?コロッケ?」と耳を澄ましていると、「○○商店。コロッケね。500円分。」間違いない。買い物を頼んでる。しかも、頼まれた運ちゃんは耳が悪いのか、何度も聞き返す。その度に、「500円分ね。」「芋が並んでるから。」「コロッケよ。」など無線が入る。
無事にコロッケにありつけたかなぁ。。。


こんな宮古島の島人たち、素敵すぎます♪