今日拾った言葉。


本を読んでいて、なんとなく心にとまった言葉を備忘録的に書き留めておこう。


『ひとつ確信したことがある。決めたことで自分を縛ってしまうことの方が楽だということだ。』
『勉強するより一生懸命真剣に遊ぶことの方が何倍も難しい。人が生きていくためには食べていかなければならなくて、それにはお金が必要だ。・・・でも、お金を得るための仕事や職に結びつかせるという意味での勉強では、何か大切なものを拾い損ねてしまうような気がする。』
「金曜日のパリ」雨宮塔子


今の自分の心境が、そのまま文字になってる。あまりにはまっていて、恥ずかしいような、心地よいような。


2年前、フランス1人旅へ行く前に読んだこの本を、最近になって読み返した。第2弾のエッセイ「それからのパリ」を読む前の復習ということで。


著者は皆さんご存知の元アナウンサー雨宮塔子。パリ在住のパティシエ青木定治氏と結婚し、今は2児の母。彼女は29歳の時、TBSを退職して留学ならぬ「遊学」のためパリへ旅立った。その決断力、潔くて気持ちがいい!この本を読むと、私の中の「フランス留学したい熱」がグングン上昇していく。


今日拾った言葉は、彼女がフランス行きを決断した時の言葉。2年前には読み流していたけど、今回は心にとまった。2年の間に、自分の中に変化があったのかもね。


決めたことで自分を縛ってしまうことの方が楽


そうそう。仕事にしても勉強にしても、ある状況を作ってしまえば、それに乗っかって一生懸命やるだけ。目標達成までは確かに苦労の連続かも知れないけど、スタンスは一定している。今、自分はそれに甘えてる気がする。


仕事も8年目。人事異動を何回か経験し、そのたびに仕事はガラッと変わり、1から勉強する状態。とはいえ、転職とは違う。ましてや、留学とも違う。初めての仕事でもある程度は想像できる範囲。(時には想像を超えるけど)初めて一緒に仕事をする人でも、どこかしら誰かしらつながっていたりする。何より、人や環境のカラーがそれほど変わることはない。そうやって居心地の良さの甘え、「まずは3年は働こう」と思っていた職場にずいぶん長く居着いてしまった。


それが天職だと思えればいい。でも、私は、まだ他にもやりたいことがある。(それがはっきりしないから踏み出せないのだけど)


自分を縛って楽をするより、自分を解きほどいて苦労した方が心も充実するはず。


勉強するより一生懸命真剣に遊ぶことの方が何倍も難しい


「真剣に遊ぶ」って、なかなかできないよなぁ。目標がないからかなぁ、「遊び」には。自己満足、自己責任。でも、一生懸命遊べば、勉強とは違った「何か」が生まれる気がする。勉強のように外部から情報をくっつけるのではなく、内側から心を満たすことができるかもしれない。勉強で見つけた発見より、遊びで見つけた発見の方が嬉しいし心に残る。子供の心はそうやって豊かになるのかも知れない。無邪気に一生懸命遊ぶことって、いつのまにか難しくなってる。


お金を得るための仕事や職に結びつかせるという意味での勉強では、何か大切なものを拾い損ねてしまう
(この言葉の後には「考えが甘い、恵まれているから言えること、と言われればそれまでだけど、・・・」と続く。)


わかる。最近、私が少なからず焦りを感じるのは同じことを思うから。私だけでなく、同じことを思う人も多くて、わかっていながらも結局お金のために働いてしまう人も多いでしょう。特に日本人は。でも、そうして「大切なもの」を拾い損ねたまま年はとりたくない。考えが甘いと言われても、お金を考えずに好きなことをしたい。


たしかに、仕事を通じて得る「大切なもの」もたくさんある。今までたくさん拾ってきた。でも、それとは違う種類の「大切なもの」を拾い損ねてる気がする。


自分が転職したいのか、留学したいのか、はっきりしないからタチが悪い。今の仕事をしているうちは、精一杯頑張りたいと思う。そうしているうちに、結局状況も変わらず、気付けば月日が過ぎていそうな気もする。あぁ、考えてばかりで行動できない私。若いうち(?)は考えるより先に行動できる性格も持ち合わせたい。


思い切ってフランス行きを決断した雨宮塔子は、やっぱりすばらしい。


金曜日のパリ

金曜日のパリ